琉球の城(グスク)にはなぜ聖域が存在するのか?本土出身の神主が聖域に君臨した琉球支配者の思想に迫る。
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| - | 2012.10.28 Sunday | - | - |
渡し船と歴史と私

23日の休日、義父に誘われ、初めて渡し船で防波堤に釣りに出かけた。
私は、釣りはまったくの初心者だが、義父は地元でちょいと有名な達人。
「何も持ってこなくていいよ」の一言に甘え、
義父の竿で、義父の仕掛けを義父の指示するポイントに足らし、
唯一持参したクーラーボックスに大量の魚を詰めて帰った。


【釣果】

義父によると、これでも今日は少ないというのだから、笑ってしまう。
非常に楽しかったが、まったく自分で釣った気にならない(笑)


ところで、渡し船で、興味深い光景を目の当たりにした。
小さな船に乗船する客は、我々以外にもたくさんいたのだが、
その一般客が、他客の荷物の積み下ろしを当然のように手伝うのだ。

当然のようなのは、手伝ってもらう側も同様。
何も言わずに船上の一般客に荷物を預け、運んでもらって、礼も一切ないのだ。

このような態度、普通の生活の中ではかなり無礼に当たるだろう。
しかし、その渡し船の中では、手伝う・手伝われるの関係が、
礼無しで当然のこととして成立していたのだ。

私は、一見チンピラ風なお兄さんたち(お前が言うな)が、率先して動く姿に感動した。
いや、それ以上に、こんな小さな船の中でさえ、人間の素晴らしい協調性・社会性が見られたことに感激したのだ。

「そんなことで感激するか?」

と言われるかも知れない。
確かに、大半の人にとっては、取るに足らない小さな出来事だろう。
しかし、私は、曲がりなりにも歴史研究に携わっているので、こんなことを考えてしまう。


もしも、この小さな船での出来事が、何かに記録されていたとしたら、
300年後のマニアックな歴史研究者は、その古文献をめくり、

「300年前の渡し船の中には、こんなコミュニティが成立してたんです〜」

などと、嬉々として語るのではないだろうか。

何百年も前の普通の生活は、現代人にとって大きな謎・ロマンであり、
数百年後の未来人にとって、我々の小さな日常は、価値ある歴史の1ページであるはずなのである。



ところで、過去の小さな日常が、歴史解明の糸口につながる例は少なくない。

あれは、沖縄県浦添市小湾について書かれた『小湾字史』だったと思うが、
その昔、尚家(王族)の別邸が小湾にあり、それについての貴重な情報が、
当時いたずらで敷地に侵入した子供(もちろん今はおじいちゃん)から得られたというのだ。

悪事は時代を超越する。

他にも、かなり面白かった例を上げれば、兵庫県に圓教寺という、映画『ラストサムライ』のロケ地としても有名な寺があるのだが、
お堂への落書きが酷い所があり、そこには
「らく書は 末代の 恥」
と立札されていた。ところが、さらに奥に行った堂内の柱には、
「羽柴小一郎(秀長)の家臣の落書あり」
と書かれていたのである。
たくまの旅日記 「円教寺〜末代の恥編」 参照)

現代の恥が、末代には貴重な資料となる可能性を示唆する好事例である(笑)。


「現在の価値観は、超時間的に考えると、必ずしも正しいとは限らない」


誰もが口にする言葉だが、深いところでそれを理解するのはやはり難しい。
特に、感情的になったりすると、正しいのは自分と思いたくなるのが人情だ。

昔、歴史研究の同僚と口論になり、「100%お前が悪い」と言われたことがある。
「100%」という言葉を使うあたり、こいつは歴史家としての資質に欠けているなんて当時は思ったりもしたが、
今考えれば、その自分の価値観も、同様に「100%」だったのだろう。

若気の至りで恥ずかしい過去だが、それさえも、時間は温かく包み込んでくれる。
弱くて情けない自分を、超時間的に赦してくれる。
そう考えると、ちっぽけな自分が、ちょっとはましな人間になった気もする。


取りとめのない話になったが、小さな船の小さな出来事が、小さな自分の励みになったとさ。
めでたしめでたし(笑)

| いろいろ | 2011.11.24 Thursday 01:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
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| - | 2012.10.28 Sunday 01:12 | - | - |
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