琉球の城(グスク)にはなぜ聖域が存在するのか?本土出身の神主が聖域に君臨した琉球支配者の思想に迫る。
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| - | 2012.10.28 Sunday | - | - |
知念グスクの「古グスク」と「新グスク」

前回の記事「御嶽信仰は自然崇拝 ―知念森―」でお話ししたように、南城市知念にある知念グスクは、「古グスク(コーグスク)」・「新グスク(ミーグスク)」と呼ばれる2つ郭から成っています。
「古」・「新」の名が表わすように、2つの郭の成立には時代差があると言われていますが、そのひとつの証拠としてよく取り上げられるのが城壁石積みの技術差です。


まず、新グスクの石積みですが、下写真のように、石灰岩を多角形に加工し亀の甲羅のように積み上げていく「相方積み」(亀甲乱れ積み)という技法で積まれています。


s-P1930025.jpg
 【知念グスク 新グスクの石積み】


一方、古グスクの城壁は、石灰岩を加工することなく噛み合わせていく「野面積み」という積み方で築かれています。


s-P1790628.jpg
【古グスクの城壁(外面)】


s-P1830093.jpg
【古グスクの城壁(内面)】


相方積みと野面積みを比較すると、野面積みの技術の方が古くから存在し、
相方積みは技術的に進化した比較的新しい積み方であると考古学の中では説明されています。
つまり、知念グスクに伝承される古グスク(野面積み)と新グスク(相方積み)は、石積み技術の面からも説明がつくと考えられているのです。


ただし、このような説明に疑問がない訳ではありません。

野面積みが古くに成立した技術であったとしても、それが相方積み成立より後の時代にみられなくなった訳ではありません。
玉城グスク一の郭の城壁の内面は野面積みですが、四角く加工された切石が野面の中に混ざっていたりします。(混ざっているのは「布積み」用の切石)



【玉城グスク一の郭城壁内面】


つまり、玉城グスクの野面積みは、石を加工する技術が成立して以降に積まれた(積み直された)可能性が高いのです。(過去記事「グスクの石積み調査」参照。)
とすれば、知念グスクの城壁も、野面、相方という技術の違いだけで郭の新旧を論じる訳にはいきません

実際、知念グスクの古グスク城壁(野面)と新グスク城壁(相方)の接合点をよくみてみると、野面積みが相方積みの上に乗っているのがわかります。
少なくともこの部分だけは、野面の方が新しいことは間違いありません。


s-P1790607.jpg
【相方積み(新技術)の上に乗る野面積み(旧技術)】


結局のところ、地中に埋まっている石積みの根石などならともかく、
表面に見える石積みはいつの時代に積まれた、あるいは積み直されたものか分からないので、
グスクの新旧を見極める資料としては極めて扱いづらいということなのです。


しかしながら、石積みから古グスクと新グスクの新旧関係が明らかにできないからといって、新グスクが古グスクより先に築かれたとも考えにくいと個人的には思っています。
グスクは、丘陵頂部の聖地とセットであるのが一般的であり(過去記事「グスク聖域の証明」シリーズ参照)、知念グスクの頂部聖地も古グスク側にあるからです(過去記事「御嶽信仰は自然崇拝 ―知念森―」参照)。

新グスクが古グスクより先に築かれたはずはない、しかし、同時であった可能性は残ります。
どちらにしろ、この問題の解決は今後の調査を待つしかないでしょう。



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| グスク見聞録 | 2011.04.14 Thursday 21:49 | comments(2) | trackbacks(0) |
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| - | 2012.10.28 Sunday 21:49 | - | - |
コメント
だーる。なとーん。
| 親友K | 2011/04/14 10:19 PM |
親友K
どこで覚えた?(笑)
| アラミタマ | 2011/04/14 10:24 PM |
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